炎上商法は風俗と一緒。安易に関わってはいけない

人間の三大欲求というものがあります。

・食欲
・睡眠欲
・性欲

他にも物欲とか、名誉欲とか…全く欲のない人間はというのは基本的に存在しません。

これが食欲や睡眠欲までならいいと思うんですよね。「お腹が空いた」「眠い」といって人から批判されることはほとんどないでしょう。しかし性欲に関していいますと…

ごく親しい人とかでもない限り、人前で話すのは基本的に憚られるものです。そして、それを人前で大っぴらに話す人の多くは基本的に嫌悪の対象となるでしょう。

にもかかわらず、こういった産業が廃れない理由は一体何かといいますと、

人間の本能的な欲求だから

何の欲求を満たしているのか?

「そりゃ風俗なんだから性欲じゃないの?」

そう思う方が大半かも知れません。しかし、実は多くの人が(本人自覚があるのかどうかは不明ですが)実際に満たしているものが一体何かといいますと…

支配欲

なんです。当たり前ですが、風俗店でやるような行為を一般人にやった場合、これはれっきとした犯罪です。しかし風俗店にはお金を払えばそれが許されるという「非常に特殊な世界」なわけです。

 

いや、実際に多いらしいですんよ。さんざん自分が楽しんだ後に、

「こんなところで働いちゃいかん!」

とか、

「楽して金を稼ごうという考えは如何なものか?」

とか。

しかし風俗嬢の女性にしてみれば、お金を受け取った以上、黙って聞くしかないわけです。その結果、

支配欲が満たされる

ということです。いわゆる「セクハラ」も同様で、例えば男性の上司が女性の部下に対してセクハラを行う場合、これは女性に対する愛情という高尚なものではなく支配欲。すなわちその女性を「支配したい」「私物化したい」という発想でやっているわけです。

 

「炎上」で一体、誰が得するのか?

ようやく本題に入ります。

ネット上では、しばしば炎上事件と呼ばれる事件が発生します。

特定の人物や組織に対し、(言った本人としては)何の悪意もなく発言したものであっても「差別」「ヘイト」と呼ばれて炎上する。あるいはスポーツ選手が不甲斐ない試合をした場合、試合前日にブログを更新していたことが分かると、

「ブログなんか更新してる場合かよ!」
「そんな暇があったら練習しろ!」

実はそれって、自動投稿機能を使ってアップされた内容かもしれません。あるいはスタッフやマネージャー。もしかしたらゴーストライターが書いた記事なのかもしれません。しかし、炎上が発生している以上、それを批判する人達にとって「そんなことはどうでもいい」のです。

「選手に説教してやりたい!」
「こっちが正しいんだから反論はされないはず」

つまり支配欲です。選手とはスポーツの才能や実力はもちろんのこと、地位や経歴といったものでも全く敵わない…しかし多くの人に批判されている状況に便乗すれば、自分がその選手よりも上に立ったような気分が味わえるのです。

即ち、批判的な書き込みをした人にとっては

支配欲が満たされる

わけです。

 

炎上商法で一体、誰が得するのか?

前述の炎上案件は、いわば「不可抗力」です。第三者から見れば明らかに「差別」「ヘイト」であったり、あるいはファンの気分を逆撫でするような内容であるにもかかわらず、本人には全く悪気がない。謝罪するのは多くの場所で騒がれているから、即ち反省ではなく「鎮火目的」というケースは決して珍しくありません。

ただ、こういった場合であっても、炎上をきっかけに本人が自分の過ち。あるいは読者や視聴者といった人達の心理に気付くことが出来た場合、ある意味で価値あるものであると見る事が出来るのかもしれません。

 

その一方で、こういった炎上を「故意に」行おうとする人達が存在します。いわゆる「炎上ブロガー」「炎上系Youtuber」と呼ばれる人達です。

「満員電車なんか乗って何が楽しいの?」
「嫌いな仕事ならさっさとやめれば?」

「貧乏人が僻んでんじゃねーよ」
「年収○円以下って恥ずかしくないんですか?」
「税金払ってない奴は道路を歩くな」

こういった発言が書かれたブログを見る。あるいは動画を見た場合、多くの方は不快に思われるでしょう。そして当然ですが、これに対して多くの批判コメントが書かれます。

「調子に乗ってんじゃねーよ!」
「人として如何なものか?」
「それは間違ってますね」
「醜い拝金主義者」
「お金で品格は買えない」

このようなコメント。いわゆる「アンチコメント」で埋め尽くされている。そして本人のブログや動画のコメント欄以外にも、ネット掲示板や個人のブログ。あるいは動画等で批判的な内容が投稿されている…

 

むろん、私自身もこういった炎上商法を見てあまりいい気分はしません。というより、

ものすごく不快

です。ただ、こういった炎上商法に対し、批判をしている人達に対して伝えておきたいこと。それは、

炎上商法をなくす方法は大量のアンチコメントではない

ということです。もっといってしまいますと、

炎上に加担した人も、実は得をしている

ということです。それが一体何かといいますと、繰り返し申し上げていますように、

支配欲が満たされている

のです。

 

支配欲の代償は思ったより大きい

例えば風俗店で女性に暴力を振るった場合、どうなるでしょうか?密室で、自分の暴力に対して何も抵抗が出来ない。おそらくあなたは支配力が大いに満たされるかと思われます。

が、しかし、

ちょっとこちらまで来て頂けないでしょうか?

むろん、それを拒否することも不可能ではありません。その場を立ち去り、警察に駆け込んで保護を求めるのも一つの方法でしょう。

しかしこの場合、あなたは暴力事件の加害者です。警察に逃げ込んだところで事の顛末が明るみに出れば不利なのは風俗店ではなく、あなた自身です。「警察のくせに暴力団の味方をするのか!」とか、「まずあいつ等を取り締まれよ!」といった要求は一切認められず、それどころか、

「話の本筋を逸らすな!」

と、逆に説教されてしまうのではないでしょうか?

 

実は、炎上商法も全く一緒なのです。炎上ブロガーのコメント欄が多くのアンチコメント、あるいは批判コメントで埋め尽くされている状態を見て、自分も「正義感で」批判をしようとする…このくらいまでならまだ許されるのかもしれません。

しかし、具体的に危害を加えるといった、いわゆる「犯罪予告」。それこそ「殺害予告」をした場合、どうなるでしょうか?当然ですが、

通報案件

となってしまいます。そして、実際に警察に捕まった場合、

「人を侮辱するのが悪い!」
「あの炎上ブロガーも逮捕しろ!」
「私はアドバイスをしてやっただけ」

…という言い訳は一切通用しません。

もしあなたが、そのような形で警察に逮捕され、ニュースで報道でもされたとします。そして、実際に誹謗中傷や犯罪予告を行ったブロガーやYoutuberの名前が報道された場合、どうでしょうか?

「バカじゃねーの?」
「いい歳こいてみっともない」
「これだから貧乏人は嫌ですね~」

一方的に言いたい放題。よりによって、一番言われたくない相手から一方的なマウンティングをされてしまう…

そして、それに対してあなたを擁護してくれる人は0です。

 

支配欲から目を背けてはいけない

つまり炎上商法を行う人間は、風俗嬢や風俗店と同様、あなたの本能を満たしているのです。

風俗が性欲であるとすれば、炎上商法は支配欲です。

多くの方は風俗、あるいは性欲というものに対し、完全に否定まではしない。しかし、やはり表立って肯定するようなものではないというのが一般的でしょう。

一方、炎上商法。あるいは支配欲というものに対してはどうでしょうか?

「俺は正しい」
「悪いのはアイツだ」

そうやって、自分を正当化していないでしょうか?

 

仮にあなた自身が風俗店に行って「ボったくられた」「変な病気に感染した」として、相手を一方的に責める事は基本的にないはずです。この場合、納得が行かないと思いつつも、最終的には「自己責任」「運が悪かった」と、自分自身を責めるのではないでしょうか?

ところが炎上商法となるとそうはいかない。悪いのは「あくまで相手」であり、自分は悪くない、というより「自分の正しい主張が通るべき」と考えてしまう…

繰り返し申し上げますが、あなたは炎上商法によって自分自身の支配欲が満たされているのに気付いていない。あるいは自分の支配欲を満たすつもりが失敗したのです。

 

炎上ブロガーに感謝は不要ですが…

こんなことを書くと「炎上商法をする人間は、あなたの支配欲を満たしたのだから感謝すべきだ」という内容に取る方がいらっしゃるかもしれません。当たり前ですが、それは大きな誤解です。

確かに、結果としてあなたの支配欲は満たされることがあるかもしれません。しかし重要なのは彼等に感謝をするというものではなく、

自分自身には支配欲という本能的な欲求がある

これを予め知っておく事なのです。もし、仮にあなたがそれを自覚している状態で炎上商法を目にした場合、おそらくこう思うでしょう。

「自分には支配欲がある」
「この内容を批判すれば支配欲が満たされる」
「しかし、その代償を考えると割に合わない」

代償、というのは何も警察沙汰といった大袈裟なものとは限りません。本来、関わる必要のない事に首を突っ込み、無理にストレスを溜めてしまう。あるいは炎上ブロガーやYoutuberに対し「少しでもダメージを与えるコメントが出来ないか?」と考え、それだけで延々と無駄な時間を浪費してしまう…

結局、割に合わない。しかし本能的な欲求(=支配欲)が絡む場合、それが頭でわかっていても体がつい反応してしまうわけです。だとすれば、

自分は支配欲を満たそうとして、非常に無駄な事をしようとしていないだろうか?

一方立ち止まって、自分自身を冷静に観察する必要がある。そしてそれが炎上商法に振り回されない「もっとも確実な方法」なのです。

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