「高速道120km/h時代」で考える”最高180km/h”の意味とは?
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「高速道120km/h時代」到来か 新東名145km一挙に最高速度アップ 何が変わる?
新東名の静岡区間(御殿場JCT~浜松いなさJCT)が2020年12月22日(火)、全面的に6車線(片側3車線)運用となり、同時に最高速度が120km/hまで引き上げられます。東北道の一部(花巻南IC~盛岡南IC)では、すでに9月に引き上げが実施されていますが、今回はそれが145kmにもおよぶ区間で適用されます。
新東名では2017年から、もともと6車線が確保されていた新静岡IC~森掛川IC間およそ50kmで、最高速度を110km/h、120km/hと段階的に引き上げる試行が実施されていました。
この区間と、前出した東北道の2か所での試行結果を踏まえ、警察も引き上げに向けた制度改正を行い、新東名では6車線化の完成とともにGoとなるわけです。ただし大型車については、普通車よりも低い最高速度80km/hのまま据え置かれます。
6車線化の整備効果としてNEXCO中日本は、物流の効率化や走りやすさ、東名に対する代替ルート機能の強化などを挙げますが、最高速度の引き上げに関する効果には言及していません。どのようなことが考えられるのでしょうか。
引用元 https://news.nicovideo.jp/watch/nw8565731
車のスピードメーターは何故”最高180km/h”なのか?
車のスピードメーターを見ると、一般的な乗用車の最高速度は180km/hです。古い車でも160km/hくらいに設定されています。あるいはスクーターの場合でも、法定速度が30km/hにもかかわらず、最高速度は60km/hです。
「何故法定速度以上のスピードが設定されているのか?」
疑問に思う方は少なくないでしょう。あるいは、
「最高100km/hに設定すればスピード違反は起きないのでは?」
実はこれ、ちゃんとした意味があります。何かといいますと、
「危険回避のため、やむを得ず加速をすることがあるかもしれないから」
です。
やむを得ず加速する場合とは?
2012年、中央自動車道の笹子トンネルにて、老朽化が原因と思われる崩落事故が発生したのですが、その際、「急加速」してトンネルを脱出し、事故を免れたNHK記者がクローズアップされました。
笹子事故「NHK記者奇跡の脱出」 スバル「インプレッサ」に賞賛の声
全力で加速し、脱出したと書かれているので、おそらく180km/h近く出ていたのではないかと思われます。
もし仮に、「法定速度に合わせて」最高速度が100km/hの場合、どうでしょうか?おそらく”間に合わなかった”可能性がある。そして事故の状況が正確に伝えられないまま、最高速度180km/hという設定が「無用の長物」と思い続ける方もいらっしゃったのではないでしょうか?
“急ブレーキ”と”急アクセル”
【問題】急ブレーキは常にしてはならない(〇 ×)
【正解】× 基本的にはダメ。ただし緊急のため、やむを得ない場合はOK。
車の運転免許の試験でよくある「引っかけ問題」です。
急ブレーキは危険な動作のため、基本的には禁止されています。しかし、やむを得ない場合、無理やり停止しなければならない場合もあるでしょう(例 急な歩行者の飛び出し、前の車が急停止した場合等)。
急ブレーキ(急停止)は何となくイメージが思い浮かべやすい。一方、急加速というとどうでしょうか?「危険防止のため、やむを得ない場合は、と考えた場合、絶対にダメとはいえない」とは想像出来るかもしれない。しかし、その「やむを得ない場合」が一体、どのような場合なのかというと、実は思ったより想像しにくいのではないでしょうか?
実はこの「やむを得ず、急加速する場合」として非常に分かりやすい事例が前述の笹子トンネルのケースです。即ち法定速度を明らかに上回る最高速度が設定されている理由は、
緊急時、(事故防止のため)加速するために設定されている、いわば「危険防止装置」
としての役割があるわけです。
教習所で何故、教えないのか?
実際、教習所の講義では、この点について教えません。あくまで、
「急停止も急加速も、危険防止の場合に限って”例外的に”認める」
という教え方です。実際、教官に質問をしても、納得いく回答をされるケースは少ないでしょう。
「最高100km/hに設定するのが本来好ましいが……」
「法定速度を守ればいい、そんなことを考える必要はない」
実際、自動車雑誌でも、同じような考えの記事は多く見かけます。前述のとおり、法定速度を大幅に超過することで事故を免れたケースは存在します。この場合、もし仮に、
「100km/hを超えたらスピード違反だ」
「他に事故を免れる手段があったらどうしよう」
こんなことを考えていたら、法定速度以前に命を落とす可能性がある。完全に”本末転倒”です。
“速度超過を黙認”しているわけではない
・100km/h以上は「緊急時の加速装置」
・法定速度の超過を”黙認”するものではない
輸入車の場合、最高速度が180km/hを大幅に超過する設定がされている車種が多く存在します。むろん、速度無制限の道路(ドイツのアウトバーン等)に対応しているという事情もあるでしょう。
しかし日本の道路を走る以上、結論は一緒です。120km/h、あるいは100km/h以上の加速は「緊急時以外使用禁止」なわけです。言い換えれば、
緊急時に限って使用可
この問題、もっと教習所の段階できちんと教えて欲しいですよね……。
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行政書士。当サイトの管理人です。
大学卒業後、IT系企業を経て神奈川県に行政書士事務所を開業。「金なし、コネなし、キャリアなし」から10年間で100回以上、ホテルで朝食会を開催。独自の集客方法で事務所の経営を軌道に乗せる。
現在は行政書士業務に加え、ブログやSNSの活用法。そしてコミュニケーションノウハウの指導も行っている。
webサイト「東京ホテル朝食日記」
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