呪術廻戦や銭天堂が「鬼滅の次」なら鬼滅の刃は何の次なのだろう?
「鬼滅の刃」の次は… 小学生が夢中になる「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の魅力
筆者には小学4年生の子どもがいるのだが、昨年「『鬼滅の刃』がクラスで流行っているよ」と言い始めたと思っていたら、アニメファンを超えてあれよという間に国民的な人気作になっていた。今年に入るとSpotifyなどサブスク配信で流行していたAdoの「うっせえわ」を「クラスでみんな歌ってる」と口ずさみぎょっとさせられたが、こちらも今年を代表する人気曲となった。そんな流行のバロメーターともいえる小学生の最近の動向だが、すっかり熱の冷めた「鬼滅の刃」に代わり、ここ最近は娘の口から耳慣れない言葉を聞くようになった。「銭天堂」。ご存知だろうか。
正式なタイトルは『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』。廣嶋玲子による児童小説で、2013年より偕成社から刊行された。20年9月からはNHK Eテレでアニメもはじまった。
同作は叶えたい望みがある人の前に現れる不思議な駄菓子屋「銭天堂」を訪れた客とその客が買った駄菓子にまつわる1話完結の連作短編。店を訪れるのは子どもとは限らず、40代の独身女性から警察官、さらには泥棒までとさまざまだ。
—中略—
児童書だが、すべての話がハッピーエンドというわけではない。説明を守らず、間違った使い方をすると恐ろしいしっぺ返しに遭ってしまう。忠告を聞かなかった小学生の女の子が菓子の中に閉じ込められたりと不幸な結末もあり、藤子不二雄Aの漫画『笑ゥせぇるすまん』の小学生版といった内容といえばわかりやすいだろうか。子どもにとっては刺激的であり、大人が読んでも面白い作品となっている。
引用元:https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04270602/?all=1
ヒット作品やブーム、あるいはブレイクした有名人等を過去のケースと比較し、「次の〇〇」「時期〇〇」。あるいは「第2の〇〇」「〇〇2世」といった表現がされることがよくありますよね。
コンテンツ
分かりやすさは重要ですが…
確かに、分かりやすい伝え方としては有効だと思っています。
例えばプロ野球。ものすごい剛速球が自慢で、鳴り物入りで入団した大物ルーキーがいるとしましょう。そして、その選手の名前を多くの人に知ってもらう必要がある場合、本人の名前よりも例えば「江川2世」といった表現をした方が分かりやすいといえば分かりやすい。
前述の銭天堂。あるいは現在、週刊少年ジャンプでヒットしている呪術廻戦というのも、作品だけだと知らない方も多いかもしれません。しかし、どのくらいヒットしているのか、あるいは人気作品かというのを分かりやすく説明するため、
鬼滅の次(=鬼滅の刃の次に続くヒット作品)
確かに、これは分かりやすい表現といえるのかもしれません。
作品そのものの評価としては…
では、このような評価をされた作者としては一体、どういう気持ちなのでしょうか?
むろん、過去のヒット作品や有名人と比較されることを光栄に思う方もいらっしゃるでしょう。しかしこのような表現は、当作品を高く評価する一方で、
・過去のものを超えることが出来ない
・結局、一番は過去の人気作や大物
つまり、どうしても「後追い」「二番煎じ」みたいな表現になってしまう。例えば鬼滅の刃は鬼滅の刃です。最初にドラゴンボールやワンピースありきで、その次に面白い「その他大勢の作品の一つ」と考えている人ばかりではないでしょう。
むしろそのような評価、あるいは表現方法をすることによって、評価の対象がドラゴンボールやワンピースといった「過去の名作(※ワンピースは現在も連載中ですが)」に対して向けられてしまう。そしてこれだと本来、評価すべき作品である鬼滅の刃は「引き立て役」になってしまうわけです。
評価基準をどこに置くか?
呪術廻戦や銭天堂が鬼滅の次っていうけれど、鬼滅の刃ってワンピースやドラゴンボールの次じゃないですよね。
— 比嘉晃司@偏差値30UPの学習法 (@10bunsho) April 27, 2021
マスメディアでは多く使用される表現方法ですが、やはりそれに違和感を抱く人は少なくないようです。とはいえ、比較の対象や評価の視点を変えることで、感覚が異なってきます。
ジャンプの看板という意味ではそれで合ってる、ワンピース自体も次世代のドラゴンボールみたいに言われてた時期あったし https://t.co/Yam12KvgRL
— 超左嫌人極右 (@shonenjump2077) April 27, 2021
過去と現在のヒット作品を比較する上で「漫画雑誌の看板作品」という評価を基準にする。そうなると確かに、しっくりきますね。この場合、鬼滅の刃は「過去のヒット作に比べてどれだけ近づいたか?」ではなく、過去の看板作品よりも上か下かというのが評価基準になります。
ちなみに鬼滅の刃と銭天堂は媒体が異なります。前者は週刊少年ジャンプという少年向けの漫画雑誌(少年誌)ですが、後者は原作が児童小説で、それを基にアニメ化された作品です。
そうなると「ジャンプの看板作品」という土俵で両者を評価することは出来ない。むろん、小説という形での比較が出来ないのも同様です。
では、両者の比較基準はどこにあるのかといいますと、
子供の間でヒットした作品
これがある意味、汎用性の高い評価基準ではないでしょうか。そうなるとお互いの関係はフラットになる。そして、ヒットした背景もそれぞれ比較しやすくなる。そしてお互いの個性を尊重した評価が可能となるのかもしれません。
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行政書士。当サイトの管理人です。
大学卒業後、IT系企業を経て神奈川県に行政書士事務所を開業。「金なし、コネなし、キャリアなし」から10年間で100回以上、ホテルで朝食会を開催。独自の集客方法で事務所の経営を軌道に乗せる。
現在は行政書士業務に加え、ブログやSNSの活用法。そしてコミュニケーションノウハウの指導も行っている。
webサイト「東京ホテル朝食日記」
https://www.w-plusweb.net/
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