なぜ親友にお金を貸してはいけないのか?
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親友から「お金を貸してほしい」と言われたら?
あなたの下に、昔の親友が訪ねてきたとします。そしてあなたに対して「お金を貸してほしい」と言われた場合、どうでしょうか?「お金の貸し借りは絶対ダメ」と思い、貸さないでしょうか?それとも親友なのだから、きちんとお金を返すはずだと思い、貸すでしょうか?
ただ、この場合は「貸さない」という方も多いのかもしれません。というのも、ずっと連絡が取れていなかった、かつての親友が突然訪ねてくる場合、何かしらの事情を抱えている可能性が考えられるからです。極端な話、たとえばマルチ商法とか、宗教の勧誘とか、そういった可能性を警戒するという方もいらっしゃるでしょう。
逆に日頃から付き合っている親友から「お金を貸してほしい」と言われた場合、どうでしょうか?もしかしたら、何の警戒もなく貸してしまうという方もいらっしゃるかもしれません。では、この場合、貸しても大丈夫なのでしょうか?それとも「貸したお金は返ってこない」という、いわゆる「一般常識らしきもの」で考え、貸さないべきなのでしょうか?
結論から申し上げますと、この場合もやはり貸すべきではありません。にもかかわらず、実際には貸してしまう方が決して少なくありません。
では、なぜ貸してはいけないのでしょうか?そして、貸してはいけないにもかかわらず、なぜ貸してしまうのでしょうか?そして残念ながら多くの場合、お金が帰ってこないのでしょうか?実はこれを説明できる人はそれほど多くはありません。そして、これを説明できないからこそ、多くの人が「貸したお金が返ってこない」のです。
というわけで、「なぜお金が返ってこないのか?」という理由について説明したいと思います。
そもそも金融機関から借りられないので…
まず、知り合いからお金を借りるということは一体どういうことなのでしょうか?よほど借りる相手を信頼しているのでしょうか?実はこれが大きな間違いです。
「貸した金は戻ってこない」
「たとえ親友であっても、お金を貸してはいけない」
多くの方がこのことを知っていると思います。しかし、実際に自分の身内が「親友にお金を貸したい」と言ってきた場合、どうでしょうか?多くの方はこの場合、否定すると思います。にもかかわらず、本人は考えを改めるどころか、逆に黙って親友にお金を貸してしまう……。そんなことが決して珍しくありません。
では、なぜ貸したお金が返ってこないのでしょうか?そして、親友という立場にもかかわらず、なぜお金を返さないのでしょうか?
実は、知り合いからお金を借りる人の多くは、「他のところからお金を借りられない人」なのです。例えば銀行、多くの銀行は、お金を借りる際、非常に厳格な審査があります。その人の収入が安定しているかどうか、たとえば有名な会社に勤めていて、かつ高額な給料を受け取っているか、あるいは公務員のように、一般的に安定しているとされている仕事についているかというのも重要です。
他にも不動産などをはじめとする担保、そして過去にローンを組んだことがあるかどうか、そしてそれをきちんと支払えているかどうかなど、多くの要素を確認した上で、その人が「お金を返せるかどうか」を判断します。
当然ですが、収入が不安定であったり、あるいは過去にローンを組んだ際に支払いが遅れる等があった場合ですと、大きなマイナスポイントとなります。とりわけ自営業者の場合ですと、収入そのものは決して低くないものの、「信用できない」と判断され、融資を断られてしまうケースが珍しくありません。まして、お金に困っていて、様々な支払が遅れているともなれば、銀行からの融資は絶望的と言っても過言ではないでしょう。
次に、銀行以外の金融機関。たとえば消費者金融(いわゆるサラ金)や商工ローン等です。銀行に比べると審査基準は緩いものの、やはり一定の条件が必要です。この場合も当然ですが、支払いの遅れ、あるいは他の金融機関から借り入れがあったりする場合、融資を断られる可能性があります。とりわけ、こういった金融機関は銀行と比べて利息が高いため、気づけばあっという間に借金が膨れ上がってしまう。そして、その借金を返すためにまた別の金融機関から借金を繰り返す、いわゆる「多重債務者」です。この場合、当然ですが融資を断れるでしょう。
そうなりますと、もはや金融機関からお金を借りることは困難となります。では、一体どうすればよいか?簡単です。金融機関「以外」から借りればよいのです。
もしかしたら家族からも断られているかも…
たとえば家族や友人など、「財産以外の信用がある」ところです。一般的に、親からお金を借りるのはそれほど難しくはないでしょう。しかし、過去に何度も借りていたりする場合、もしかしたら親であってもお金を貸してくれないかもしれません。他にも、たとえば数万円程度なら貸してくれるかもしれませんが、これが数百万、あるいは数千万単位になると多くの場合、難しい。あるいは、そもそも親がそれほどのお金を持っていないので「貸したくても貸せない」ということがあるでしょう。
そうなりますと、今度は友人です。「親友という信頼」。これを担保にしてお金を借りるわけです。しかし、そもそもお金に困っているわけですので、当然ですが最初から返せる見込みがありません。なので、借りたはいいものの、結局踏み倒すしか方法がないわけです。そして、ある友人から借りたお金が返せないと、また他の友人からお金を借りようとする。そうしている内、に複数の友人との関係でも「多重債務者」となってしまう。
もしあなたの親友が、そんな状態でお金を借りたいといったらどうなるでしょうか?当然ですが「絶対に返ってきません」。そもそも最初から返せる状態にないのですから。もしあなたがお金を貸したとしても、それはあなた以外、例えば金融機関であったり、あるいは他の友人への返済が優先されるのではないでしょうか?
その親友は「超」ブラックリストである
つまり何が言いたいのかと言いますと、お金を借りに来た友人というものは、
「超ブラックリストの人間」
なのです。
・銀行から借りられない
・消費者金融からも借りられない
・家族からも借りられない
・他の友人からも借りられない
いくらその人が親友とはいえ、返ってこないのは当然でしょう。仮にあなたのことを本当の親友だと思ってお願いしたとしても、そもそも「返したくても返せない」のですから。
にもかかわらず、そのような状況でも貸してしまうのはなぜでしょうか?その理由についてお伝えしておきたいと思います。
「正論で説得」はNG
たとえば、あなたの親兄弟などが「親友から借金を申し込まれたのでお金を貸そうと思っているどうか?」と相談された場合、どうでしょうか。おそらくあなたはこのように答えるのではないでしょうか?
「絶対に貸すな」
「貸したお金は絶対返ってこない」
確かに正論といえば正論かもしれません。しかし、本人もそれは分かっている。しかし「親友のお願いだから」ということ。そして、黙って貸すことも出来たわけですが、わざわざあなたに相談したわけですから、親友だけでなく、あなたに対しても「信頼」があるのです。
人格否定は逆効果
それに対し、あなたはそれを頭ごなしに否定した。信頼されている人から自分の考えを否定されることは本人にとって非常に辛い事です。そして、それでも親友に対してお金を貸したいと思っている本人に対し、
「そんなの非常識だ」
「あなたは世間知らずのお人よしだから」
つまり、親友に対する友情というのを信じた相手に対し、「バカ、非常識、世間知らず」と最大限の人格否定を行っているのです。
これを言われた相手はどうでしょうか?完全に心はズタズタです。そんな状態で何を考えるのかといいますと、
「俺をバカにしたな!」
「俺の親友までバカにしやがって!」
「絶対に見返してやるからな!」
ついカーっとなって、このように考えてしまう。そして、親友に貸したお金が無事帰って来た時に、
「ほら見ろ、一見すると常識人ぶってるお前の方が、実はバカで非常識で世間知らずなんだよ!」
このように言い返したいわけです。某ドラマではありませんが、「倍返し」をしたいわけですね。一般的にこのような傾向は、男性の方が高い。たとえば夫が親友にお金を貸す際に、妻から否定された場合、こういった行動を起こす可能性が高いといえるでしょう。
しかし、現実はそうはいきません。前述のとおり、お金を借りに来る親友は、やはりお金を返せないのです。例えば100万円とか、あるいは1000万円以上のお金を貸した場合、初月の数万円くらいを返すこともできずに連絡が取れなくなる、なんてこともザラです。
そして、何とか連絡をとれたので、早くお金を返せと催促すると、
「言い方が気に食わない」
「俺達は親友じゃなかったのか?」
「せっかく返そうと思ったのに、返す気がなくなった」
いわゆる逆切れです。こうなった場合、それこそ身体を拘束してでも、とりわけ家族に内緒でお金を貸してしまった場合、極端な話、暴力を振るってでも回収したい、あるいは回収しなければならないと思っても何ら不思議ではありません。
そして、ある時、なかなか返ってこないお金のことが、とうとう家族にバレてしまう……。そうなってしまいますと、後は修羅場です。お金を貸す前よりもさらにエスカレートした罵詈雑言の嵐。そして夫婦の場合、そのまま離婚なんてケースも決して珍しくありません。
では、こういった事態を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?この場合、それぞれの立場の人間が知っておくべきことがあります。
友情よりも、まず「返済能力」を見よ
まず、あなたが「親友から借金を申し込まれた場合」。この場合、前述のとおり、親友が借金を申し込む理由を知っておくことです。つまり、親友は「金融機関などから借りようと思えば借りられた」のではありません。「もはや金融機関では借りられないからこそ、あなたに金の無心を要求しているのです」。
したがって「ほぼ確実にお金を返せない人には貸せない」という、きわめて「客観的な」判断をする必要があります。また、他の友人にもお金を借りている可能性が高いので。あなたの下にやってきたからといって、あなたを「一番の親友」と思っているわけではありません。この点には注意が必要です。もしかしたら、別の友人から「友人にお金を借りまくっている奴がいるから気を付けろ」と警告されることもあるのではないでしょうか。当然ですが、その場合は「100パーセント、クロ」です。
お金を貸してしまう「男性心理」とは?
ちなみに、男性は「プライドの生き物」です。そのため「親友から頼られる」というのは非常に本人のプライドないしは自尊心をくすぐるのです。「俺が何とかしてあげないと」みたいな感じですね。そのような状況で、「バカ、非常識、世間知らず」と言ったら一体どうなるでしょうか……。
言ったあなたの立場からしてみれば「本人の暴走を止める」「よかれて思って」言ったつもりかもしれません、しかし相手への伝わり方は違います。あなたは相手と、そしてお金を貸す親友に対し「共通の敵」となってしまうのです。そのため、相手と親友が「お互い力を合わせて」あなたをやっつけようとする。すなわち「無事返済」に余計期待をしてしまうのです。
したがって、もしあなたが「親友にお金を貸したい」と相談をされた場合、正論でねじ伏せるようなことはやってはいけません。すなわち「貸したお金は返ってこない」という理由で貸すなではない。まして「バカで世間知らずで非常識なお前にアドバイスしてやっているのだ」では、相手を説得するどころか逆効果だということを知っておいた方がよいでしょう。
前述のように、男性は「プライドの生き物」です。したがって、相手の考えを否定した挙句、「正しいアドバイスをしてやっている」という態度は相手の自尊心を傷づけ、あなたに対して敵意を持ってしまう。その結果、自分が伝えたことを逆のことをされることがあるのです。
「権威に弱い」男性心理とは?
では、この場合、どうすればよいのでしょうか?黙って相手にお金を貸すのを認めるべきなのでしょうか?あるいは「あなたは頭がよくて世間を知っていて、常識がある」と、敢えて褒める必要があるのでしょうか?残念ながらこれも違います。
この場合、やるべきことは、
「相手が素直に意見を聞く人物に意見を言わせる」
ここで必要となってくるのは「専門家の意見」です。たとえば夫婦間において、夫が親友にお金を貸したいという場合、妻が取るべき行動は、
・夫が尊敬している人物
・夫が専門家として一目置いている人物
専門家の場合、たとえば法律とか、金融とか、そういった知識の専門家ですね。そのような人の口から、今からお金を貸す親友が一体どんな人物か。とりわけ返済能力が欠けている人物であるかを説明してもらう必要があります。
このような言い方が正しいかどうかは分かりませんが「権威を利用する」。何度もいうように男性はプライドの生き物です。しかし、その一方で「権威に弱い」あるいは「強者の意見には逆らえない」といった弱さ、脆さもあるのです。
専門家にアドバイスをさせる、というのは素直に意見を聞きやすいというのに加え、もう一つメリットがあります。それは「第三者の意見」ということです。当事者同士の場合、つい感情的になり、正常な判断ができなくなることも珍しくありません。お互い感情的になった結果、ついカーっとなって、相手に対して人格否定発言をするなんてこともあるのではないでしょうか。
しかし、相手が専門家であり、さらに客観的な意見を言ってきた場合はどうでしょうか?この状態で、身内のように感情を爆発させるケースは少ないでしょう。やはりここでも「男性はプライドの生き物」なのです。専門家に指摘されたことを、怒りに任せ、感情的に反論することで、周囲から「みっともない」と思われることを気にするのです。そのため、客観的なアドバイスをされた場合、多くの場合は「素直に従わざるを得ない」のです。
人も財産も、両方守るために
なので、もしあなたが家族や身近な友人などが「親友にお金を貸したい」と相談した来た場合、あるいは、あなた自身が「親友にお金を貸したい」と思った場合、このことをぜひ、覚えておいてください。そうすることで、あなた自身はもちろんのこと、あなたの周囲の人間も守ることにつながってきますので。
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行政書士。当サイトの管理人です。
大学卒業後、IT系企業を経て神奈川県に行政書士事務所を開業。「金なし、コネなし、キャリアなし」から10年間で100回以上、ホテルで朝食会を開催。独自の集客方法で事務所の経営を軌道に乗せる。
現在は行政書士業務に加え、ブログやSNSの活用法。そしてコミュニケーションノウハウの指導も行っている。
webサイト「東京ホテル朝食日記」
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